レバノン
レバノンは、北から東をシリアと、南をイスラエルと接し、西は地中海に面する岐阜県ほどの小さな国です。
正式名称:レバノン共和国
- 公用語:アラビア語
首都:ベイルート
宗教:イスラム教54%、キリスト教40%など
通貨:レバノン・ポンド
概要
旅行シーズン
一番旅行に適しているのは、3月〜5月、9月〜10月です。
地中海に面するレバノンは典型的な地中海性気候に属し、年間を通じて比較的温暖な気候です。夏季(6月−9月)は乾季にあたり、気温が30℃後半まで上がりますが、湿気がなくカラッとしているので日本の夏より過ごしやすいですが、日差しが大変強いため外出時は注意が必要です。冬季(12月−1月)は雨季にもあたり雨がかなり降りますが、最低気温は10℃程度と冬でも温暖です。
服装
基本的には東京の気候に合わせた服装を目安にします。
夏はTシャツに短パンで構いませんが、宗教関係の場所を訪問する場合は長袖、長ズボンに女性はスカーフやヒジャブなどで頭を覆うのが礼儀です。日差しが大変強いので、帽子やサングラスなどで日よけ対策が必須です。
治安
1975年の内戦や周辺国との戦争で、連日爆破テロなどのニュースが世界中で流れ、長いことレバノンへの渡航は大変危険とされていましたが、2018年に外務省安全情報の危険レベルが広範囲においてレベル1に引き下げられ、観光客が訪問可能なほどに復旧しました。
首都ベイルート、ビブルス、シドンなどで観光地となっている地域は比較的安全に訪れることができます。ですが、シリア国境付近やイスラエル国境のある南部などは、いまだに武装組織も存在し、危険レベルは高いので、このような地域へは行かないようにしましょう。また、ベイルート内にいくつかあるパレスチナ難民キャンプも近づかないようにしてください。
ひと昔よりもかなり安全になったとはいえ、日本とは全く違います。昼夜を問わず極力人通りの少ない場所での単独行動は避け、万引きやタクシーでのぼったくりの被害に遭わぬよう十分な対策を取ってください。
注意事項
抗議デモ
・2019年10月17日以降2020年2月現在まで,国内の各地で政府に対する抗議デモが続いています。デモ自体は概ね平和的に行われているものの,デモを妨害しようとする特定政党の支持者と参加者との小競り合いにより負傷者が出た事例や,発砲で死傷者が出た事例も確認されています。また,デモに伴い主要幹線道路を含めて道路が封鎖されてしまうこともあります。
・抗議デモに遭遇した場合は決して群衆には近づかず,速やかにその場を離れるようにしてください。また,道路封鎖の可能性を念頭に置き,時間にゆとりをもって行動するようにしてください。特に空港を利用される際は事前に道路状況に加えて航空会社の運航状況を確認するようお願いします。
・デモ発生後,銀行はATMの引き出し限度額の引き下げや米ドルの国外送金を制限するなどの措置を取っています。加えて物流の停滞が長期化した場合は食料やガソリン等の必需品が不足するおそれもありま
習慣
・レバノンでは憲法によって言論,思想,信条等の自由は保障されていますが,人前で政治的・宗教的な問題を論議することは避けた方が賢明です。
・レバノンは,他のアラブ諸国に比べて開放的であると言われますが,伝統的な社会習慣も根強く残っています。また,宗教的な影響も小さくありません。現地の女性が開放的な服装をしていても宗教的には敬虔な場合も多く,軽率な言動で誤解を与えないよう注意が必要です。
・レバノン人を会食に招く際には,宗教上のタブーとされている食材や行為について事前に確認しておくことをお勧めします。飲酒については,レストランやホテル以外の公共の場所では控えることをお勧めします。
制限区域
・イスラエルに面する南部の一部地域ではレバノン国軍及び国連軍(UNIFIL)が展開し厳重な警戒が行われている場所があります。また,南部及び北東部の国境地帯では地雷の除去作業が行われている場所もあります。これらの場所は一般の人々の立ち入りが制限されていますので,近づかないよう十分注意してください。南部地域の一部の村では外来者に対する警戒心が非常に強く,立ち入った旅行,者がカメラやパソコン等を村人に没収されたという事例も確認されています。
・治安情勢に応じ,主要道路などでの検問が強化されることがありますので,身分証明書(旅券または旅券のコピー)を携帯するようお勧めします。
写真撮影
・ISF(国家警察軍)やレバノン国軍などの治安関連施設,政治団体の施設などの撮影は避けてください。
・軍事施設に隣接している場所や民兵組織等の構成員及び施設の写真撮影には許可が必要な場合があり,許可無く撮影した場合はスパイ容疑等で身柄を拘束されたり,カメラ等を没収される可能性もあります。明確な表示や制服を着た警備員等が存在しない建物であっても治安関係施設として使用されている場合があり,私服の警備員が撮影等の行為を厳しく取り締まっていることがあるため注意が必要です。
交通事情
・レバノンでは交通規則を遵守するという意識が非常に希薄です。交通マナーは極めて悪く,歩行者優先ではありません。また,飲酒運転,携帯電話を操作しながらの運転,信号無視,一方通行の逆走といった交通違反は日常茶飯事です。運転時及び歩行時は十分注意してください。
・交通事故が発生した場合,警察は人身事故には関与しますが,物損事故には関与しないことが多く,その際は当事者間で解決しなければなりません。事故処理の交渉は困難なケースが多いため可能な限り保険への加入をお勧めします。また,わずかな傷や凹み程度の接触事故では,相手がそのまま立ち去ることがありますので注意してください。